コラムのバックナンバー令和4年 弥生(2022年03月)アニメ「平家物語」を観ています。歴史の授業で習った「強大な権力を手にして奢る平家を 源氏が倒す」という源氏側の視点ではなく、平家のひとびとが 笑い、悩み、日常を生きるようすをともに暮らす主人公の目を 通して描いていて、あたりまえですが悪い人ばかりではなく、 滅びていく未来を知っているだけに悲しく哀れに感じます。 主人公の名前でもあり、物語にもたびたび出てくる琵琶は 特徴的な形の弦楽器ですが、くだもののビワは、その形が琵琶に 似ているからという理由で名付けられました。ビワについては 約三千年前のインドの経典にも記されており、当時は大薬王樹と 呼ばれ最高の薬木とされていたそうです。今でもビワの葉を乾燥した 「枇杷葉(びわよう)」は、咳を鎮めたり痰を除いたりする作用を 期待して、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)という漢方処方に 配合されています。 アニメも残すところあと2話。 すっかり身近になった平家のひとびとが滅びゆくさまをしっかり 見つめたいと思います。 令和4年 如月(2022年02月)視線を感じてふりむくと愛犬がこちらを見ていました。つぶらな瞳と目が合う時、いつも頭のなかには「黒い瞳」が流れます。 学生時代に習った合唱曲「黒い瞳」は、もとは女性に恋焦がれる男性の 情熱と苦悩を歌ったロシア民謡だそうで、うらめしげなメロディを口ず さみながらおやつをあげるのでした。 ところで目薬を使う時、しばしば目から薬があふれてしまいますが、 目の中にはどれぐらいの薬液を入れることができるでしょうか。通常、 点眼薬の一滴は40〜50μLですが、結膜のうと呼ばれる薬液が入る 場所の容量は20〜30μLしかありません。そのため正しく点眼すれば 一滴だけでも目からあふれてしまうのは当然なのですが、ここであふれた 分を補おうと目薬を使いすぎると、必要な油分やタンパク質が洗い流され 目の乾燥や異物感につながります。また余分な薬は鼻腔から全身に入って 副作用の原因にもなります。 点眼後にまばたきをすると、やはり目薬があふれてしまうため、 点眼後1分間ほどはまばたきせずに目をつぶってください。 点眼前には手を洗い、正しく薬を使いましょう 令和4年 睦月(2022年01月)あけましておめでとうございます 実家の片付け中にたくさんのアルバムが出てきました。 今の私よりもずっと若い父母やあどけない弟たち、セピア色になった 若かりし日の祖父母など、片付けそっちのけで眺めていたらあっという間に 時間が過ぎてしまいました。 「セピア」とはイカスミのことで、かつてこれを原料に インクが作られたことから色を表す言葉になったそうです。 ところでパスタなどでイカスミを食べると、くちびるや口の中だけでなく便まで 真っ黒になっておどろきますが、薬によっても便の色に変化が起こる場合があります。 たとえば鉄剤は便を黒く、一部の結核治療薬では橙赤色にする可能性があります。 また、てんかんの薬や潰瘍性大腸炎の薬などでは便に白色の残渣が混じる場合があります。 便の色は食物や薬、体調などさまざまな要因によって変化します。 便の色がいつもと違ったり気になる場合は、医師や薬剤師にご相談ください。 |